「なーんてね、冗談冗談。」

「あなたって、私に会うために電車で来てたりして。」

「なーんてね、冗談、冗談。」

「あなたって、私の事好きだったりして。」

「なーんてね、冗談、冗談。」

  …冗談…じゃないよ…。

あなたがそういうこと言ってくれないから、私が言うしかないのよ…。

でも、つい「冗談」って言っちゃうの…。

ねえ、気づいてよ…。

そしてあなたの方から、そういうこと言ってよ…。

それとも、私の事嫌いなの?

他に好きな人がいるの?

もう耐えられない…。

あなたの顔を見るたびに、あなたに会うたびに、

胸が締め付けられる。

ドキドキして、まともに顔も見れなくて、

気付くと冗談言ってる…。

ねえ、一言だけでいいから、あたしに言ってよ…。

「君が好き」

って、言ってよ…。

もうこれ以上、私耐えられない…。

次の日の月曜日、茜は屋上へ呼び出され、彼から、転校すると告げられた…。

ショックだった…。

だがそれは同時に、彼の告白の決心を固める、

きっかけとなった…。

「週に一回は逢いに行っちゃうんだから、覚悟してね!」

作:ICEさん
オリジナル公開:199?年??月??日
ここでの公開:2000年8月10日