ひと夏の経験 TLSS
トゥルーラブストーリー サマーデイズ アンド イエット... ってなに?
シリーズ6作目の恋愛シミュレーションゲームです。特定の女の子と相思相愛になったらめでたしめでたし。おしまい。
登場人物は高校生。動作機種はプレイステーション2で、媒体はDVD-ROMになってます。
2003年7月24日、定価6800円で発売。詳細は公式サイトに行くのがいいでしょう。
2004年7月22日、廉価版の「eb!コレ True Love Story Summer Days, and yet...」として税込価格2940円で発売されました。内容は2003年に発売されたものと同じだそうです。
恋愛シミュレーションゲームの興亡
- True Love Story Summer Days, and yet…
- 西暦2003年生。この生年は、現在一般に流布しているTLS紀元に直せば、同紀元8年にあたる。TLS3の後を受け、2年近くも情報が公開されなかった事から発表時には論議を巻き起こした。発表時の逸話についてはあまたあるが、相互に矛盾したものもいくつかある。伝えられるところによれば、身内キャラは弟でしかもポニーテール……
- ……彼女ら6人が、最初期の登場時において賛否両論を巻き起こしたのは予想外の反応ではなく、むしろ肯定論のほうが目立った事について歴史家の意見は一致している。これまでの歴史の流れを姿の面で断ち切り新しい流れを大きな混乱もなく創り出したのは、すでに今までの最重要人物の引退が知らされていたためにこれまでの流れはあり得ないと誰もが思っていたことと、システムの面で回帰現象が見られたためによる事との意見も台頭してきた。この見解においては、たとえ永久に確認することはできないにしても、彼女らと主人公との関係は重要視される。特に、あの夏に起きた高校生活での彼女らとの各エピソードの期間中には……
銀河百科辞典(エンサイクロペディア・ギャラクティカ)
ここに再録した銀河百科事典からの引用文はすべて、TLS紀元1020年に、久夏高校の銀河百科辞典出版部が発行した同書第百十六版から、発行者の許可を得ずに採録したものである。
登場人物
恋愛対象人物
恋愛対象人物は全部で6人+1人。2回めクリアしてから隠れキャラが登場するようになります。普通にプレイしていれば隠れキャラが出てくる可能性は非常に高いと思います。
- 楠瀬緋菜(くすのせ ひな)
- ヒロイン。テニス部。高校2年生で明るく活発でおっちょこちょい。主人公とは小さい頃に以下略。非常に一途な女の子。
- 声は桑谷夏子さん。他に「シスタープリンセス」の可憐等。
- 向井弥子(むかい やこ)
- 幼なじみの高校1年生。水泳部。主人公やるり姉とは4年ぶりの再会。主人公やるり姉以外の前ではぶりっ子な面を見せる。主人公とは小さい頃に以下略。愛してるぞ、やっこ。
- 声は折笠富美子さん。他に「ストラトス・フォー」菊原香鈴等。
- 桐屋里未(きりや さとみ)
- クールでマイペースな高校2年生。帰宅部。MTBが好き。情報を最初に公開した『WEEKLYファミ通』等最初の頃「桐谷」と書かれている事もあった。
- 声は笹島かほるさん。他に「HAPPY★LESSON」五箇条さつき等。
- 篠坂唯子(しのさか ゆいこ)
- おとなしく読書好きの眼鏡ッ娘で高校2年生。帰宅部。独特の価値観をもっており不思議な感じがするが、実は悲しい過去があった。
- 声は松来未祐さん。他に「HAND MAID マイ」のサイバドール・ミイ等。
- 神谷菜由(かみや なゆ)
- コンピュータ部の部長だが仕事はせず権力を行使している高校2年生。権力が大好きで命令することを好むが、彼女にもいろいろと過去があった。通称「わがまま姫」。
- なんとなくだけど、
ピカード艦長よりカーク船長の方が好きそうな感じ。訂正、カークじゃなくジェンウェイ艦長に憧れそうな感じが。憧れそうなのはボーグ・クィーンか。「私は菜由。あなたを奴隷にするわ。降伏しなさい。抵抗は無意味よ」
- 声は松岡由貴さん。他に「おジャ魔女どれみ」の妹尾あいこ等。
- 有森瞳美(ありもり ひとみ)
- 学園のマドンナで高校3年生。帰宅部。優しくしっかりしてて学力も運動もトップクラスで甘い物好きの完璧な先輩。
- 声はかかずゆみさん。他に「ストラトス・フォー」の 本庄美風等。
- 同級生(田中/鈴木/佐藤+昭子/宏子/恵子)
- 目立たない同級生。今までのお約束の展開を裏切ってくれる娘。名前は3種のうちのどれかになる。隠れキャラといいつつ2回目のクリア後は毎回こっちが何もしないのに出てくるんですけど。そのなにげなさを愛してます。
- 声は門脇舞さん。他にアニメ「ぽぽたん」の メアー等。
恋愛非対象人物
- るり
- 主人公の姉。ハンドボール部。高校3年生で楽天的で豪快でがさつ。主人公や弥子をよくからかっている。間違ってもゆり姉とかろり姉とは言えません。
- 廊下で神谷さんとにらみ合ったときのシーンはTLSシリーズで一番恐かったです。にらみながらも不敵な笑みを浮かべているるり姉……。ゴッドファーザーという感じが。
- ――ここで「ゴッドねえちゃん」と書くと歳がバレるところですが、TLSやってる人は知ってる世代が多そう。
- 声は茂呂田かおるさん。他に「こみっくパーティー」の 猪名川由宇等。
- 百道誠太郎(ももち せいたろう)
- 主人公の悪友。写真部。スケベで女性の前ではいい人を装おうけど実際いい奴です。お宝写真を撮るために様々な場所に出没する。立ち姿がモデルのようなSラインになってるのがいかにもという感じ。
- 声は成瀬誠さん。他に「新白雪姫伝説プリーティア」の 蛍等。
- 刀根渚(とね なぎさ)
- 久夏高校の女性教師。誠太郎との会話の中に登場。隠れキャラのラスト近くに出てくる。
- 曜子
- 久夏高校2年生。楠瀬緋菜と口論になるが台詞のみ。楠瀬さんに告白するようけしかけた張本人。年上と付き合っていて仲は相当進んでいるらしい。
- 相原早希(あいはら さき)
- 向井弥子の友だちで高校1年生。眼鏡をかけている方で漫研所属。中庭で喋っていたり、主人公と弥子とがつきあっているんじゃないかと冷やかす場面あり。
- 水村洵(みずむら じゅん)
- 向井弥子の友だちで高校1年生。背の高いほう方でバスケ部。相原早希とのコンビで向井弥子と一緒に居たりする。
- 姫野(ひめの)まひる
- 神谷菜由の友だちで背が高いほう。バスケ部のエースで菜由よりワイルドらしい……。
- 宮里千帆(みやさと ちほ)
- 神谷菜由の友だちで八重歯のほう。怒らせると恐いらしい。類友という事かな?
どんな感じで進行するん?
具体的な進行についてはTLS公式サイト 「夏ドキッ!放課後通信」にて詳しい図解がありますし、制作会社GameCRABにも簡潔な紹介がありますので、そちらをぜひ参照してください。
初心者の場合
TLSシリーズは初めてとか、恋愛シミュレーション自体初めてという方のために、タイトルの後出てくるメインメニューから「アドバイス」を選択することができます。ゲーム進行のコツ等が書かれていますので参考になる事でしょう。
また初日の登校時には親友の百道誠太郎と出会い、恋愛について話があるので昼休みに屋上へ来るよう言われます。そのとおりにゲームを進めると誠太郎から恋愛について、つまりゲームの進め方の参考になる話(ここは音声ではなく文字のみ)をしてくれるわけです。
また一番最初のプレイ時には、大事なところでヒントが表示されますので、プレイするのにあまり迷うようなことはないと思います。他にできることは説明書に目を通しておこうって事くらいですね。後は実際にプレイしてみるだけ!
全体の流れ
- 女の子と出会う
- 校舎付近で女の子達と会い、話をしたりイベントに遭遇したりする
- 下校時に誘い、会話を交わし、寄り道に誘ったりする
- 「誘う」レベルが上昇しレベル5になると休日デートに誘うことができるようになる
- 下校時の会話で休日デートに誘う
- 休日デートで様々な選択をし、その日の終わりに告白……
基本的には校舎付近で出会い、会話をする事を積み重ねることで女の子と親密になっていきます。会うのは女の子だけではなく親友(男)や姉と会い話をすることもあります。
また、何度も会話をすることで主人公が持つどれかの話題のレベルが上がります。話題のレベルが上がると下校時の会話モードがやりやすくなるので、親友や姉と会ったからといって必ずしもがっかりする事はありません。……中には親友や姉のほうと会いたいと思う人もいるかも。
1日の流れ
- 平日
- (「今日の目標」が表示)
- 登校
- 学校内
- 1時限目休み時間
- 2時限目休み時間
- 3時限目休み時間
- 昼休み
- 放課後1
- 放課後2もしくは寄り道
- 自宅で就寝(るりチェック)
- 休日(土曜、日曜)
- 自宅にいる
- 自宅で就寝
移動先は校舎内11ヶ所、校庭等の校舎外8ヶ所、商店街などの校外6ヶ所、計25ヶ所から選べますが、食堂へは昼休みしか行けなかったり等、時間帯によって制限があります。
下校時は最高3ヶ所、女の子と会える機会があります。誘っていっしょに帰ることができたら会話モードに入ります。
会話モードで女の子が了解すれば、とある場所へ誘う事が可能(寄り道デート)。女の子を誘うレベルが変わらない限り、寄り道は同じ場所にいくことになります。しかし同じ事は起こらないかも……。
寄り道デートを繰り返したり特定のイベントを経験することで、誘うレベルが5になると、寄り道ではなく休日デートになります。
「今日の目標」って?
1日の始まりは(デフォルトだと)「今日の目標」が表示されることで始まります。
「今日の目標」は、出会いがあった女の子に対して「今日こんな事があれば話が進展するぞ」というのを表してます。6人と出会えば6つの目標が表示されます。目標を無事こなすとその女の子との仲が進展し、誘うレベルが0から1へ、2へと上がっていきます。
目標はその娘がいつ、どこに現われるかを示すヒントでもあります。これが表示されることで恋愛シミュレーションゲームの初心者の方でもゲームを進行する事ができると思います。ただヒントはすぐ判るものから難しいものまでいろいろありますし、全く関係のない時間・場所で思わぬ事が起きたりもしますので、自分でいろいろとやってみるのがいいと思います。
目当ての女の子が目標に出なくなったときは、表をよく見るといいかもしれません。普段表示されないはずの人が目標に掲げられているかもしれません……。さらにそんな人もいないという場合は金曜まで待つとなにか発生するかもしれません。それまでの間何をするかというと……、いろんな娘を下校時に誘ったり寄り道に行ったりなど、思うようにプレイしてみればいいと思います。
余談
舞台は久夏(ひさか)高校とその周辺の町。下校の寄り道で行ける程度の距離に駅や商店街、大きめの神社や川、眺めのいい丘がある。そこそこ大きそうな町という感じ。
12回クリアした時点で書いていますが、TLS2に匹敵する非常に素晴らしいゲームになっていると思います。
今回注目したのは以下の点。
- 主人公の性格づけが結構はっきりしている
- 主人公はかなりスケベです。高校生ですのでその辺は当然だろうと思うんですけど、シリーズの中でも飛び抜けてスケベなように思います。会話モードのエッチな話レベル5は、ある意味今回最大の注目点かもしれません。また、姉に対してある感情を持っているようです。オープニングの独白で判ると思いますが、ある女の子で進めた場合休日デートで衝撃の事態が起こります。さらには姉が気が強くがさつなために主人公の性格は……、なんというか……、ま、いいか。
- 全員のチェーンキャラ化
- 全員がTLS2、3でいうチェーンキャラになっており、一つの流れに沿って話が進んでいきます。ただしTLS2の中里佳織さんのように、チェーンを2種類進めるとほぼすべてのイベント、全部のCGが埋まってしまったというようなものではなく、ある程度緩やかなものになっていると感じました。
- 寄り道に何度も行ける
- 寄り道は何度も行けますが、誘うレベルが変わらない限り同じ場所に寄り道します。しかしそこで起こることは少し違ったものになるかもしれません。また寄り道先で選択肢が出る場合がありますが、前回と違う選択をしてみるのも面白いかもしれません。
- システムの簡略化と複雑化
- 学校行事、テスト、授業等がなくなり、下校会話や寄り道が複雑化しました。先生が登場しなくなったり(絵や誠太郎との会話の中にのみ登場)親友が一人だけというのもかなりの簡略化だと思います。その分、女の子との会話(シナリオ)に打ち込めるようになったのかも。
- 会話モード(下校会話)が簡単になった
- 会話モードの進め方はかなり簡単になりました。各話題のレベルが3程度なら楽に寄り道に誘えます。ただ何度も同じパターンで行こうとすると(例えば世間話→学校の話→遊びの話→食べ物の話→……)、前回と違う展開になってあわてる場合もあります。
- 休日デートがうまく行くことで告白、エンディングを迎える
- チェーンキャラ化というのに関係していますが、今回は主人公の転校、卒業というものがなく、1ヶ月や1年といった時間の制約も無いため、一人の女の子のシナリオを終えることでゲームが終了します。
- TLS1や2では仲が良くなった女の子にギリギリの時点で転校の話を告げ、ショックをうけた女の子に対して告白することで感動的なラストを迎えました。TLS3は告白するものの受験を言い訳に断られて失意に陥る主人公に対し、卒業式の日に親友がお膳立てをしてくれるというラストが待っていました。それに対しTLSSの場合はその女の子の全体のシナリオの出来が、ゲームをした後の満足度に繋がる事になるように思います。
- 個人的には桐屋さんが物足りないかな(最初の展開が急過ぎるかな)と思いましたが、これは人それぞれだと思います。
- 話題のレベルは通常の会話で上がるという事により、親友や姉との会話がプレイする点でも意味を持つようになった
- 今までの親友との会話はどっちかというと外れ的なものがありました。妹やかなめとの会話は必ずしも外れとは言えないように思いますが。今回は誠太郎と積極的に会うようにすることで特定の話題のレベルが上がるようになるため、悲恋愛対象キャラとの出会いも大切になっています。
- 1日の最後に「今日をやり直す」という選択肢が増えた
- その1日が散々だった場合、思い通りに行かなかった場合、イベントで違う選択肢を選びたくなった場合、その1日を最初からやり直せる機能がつきました。これによってゲームの進め具合の幅が広がったように思いますし、難易度も下がったように思います。俺はそんな事しないぜ! なんていう人はしなきゃいいだけだし。
なによりも一番の注目は、キャラクターデザインが松田浩二さんから高山箕犀さんに変わったということ。絵柄は全く違うものの、他のギャルゲーやエロゲのキャラクターデザインとは違い、胸などの誇張もそれほど人間はずれではなく、衣装も抑え目の表現になっています。いい意味でのTLSらしさを継いでおり、他のギャルゲーと区別できる点だと思います。
これまでのシリーズからの簡略化や機能追加により、これまでTLSをプレイしたことがない初心者の方にも安心してプレイできるものになっていると思います。また慣れている人にも会話レベルや寄り道デートの強化等で様々なプレイが楽しめるようになっていると思います。
これまた親の遺言級というにふさわしいゲームだと思います。
攻略本
- トゥルーラブストーリー サマーデイズ アンド イエット... 公式ガイドブック
- 発行:株式会社エンターブレイン
- 定価:1200円+税
- 発行日:2003年8月22日初版発行
- ISBN4-7577-1565-X
tls-04@coomaru.com
公開:2003年2月22日
更新:2004年10月30日
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